FAQ

仕事を辞めたいが「楽しんで情熱を燃やせること」が見つからない。

FAQ
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トールの教えによると、「楽しんで情熱を燃やせること」が外的な目的であり、それを通して“いまに在る”ことができる、と理解しています。

でも今の自分にはそんな情熱を感じられるものが見つかりません。
仕事は楽しくないし、辞めたい気持ちもあります。
けれど、生活のことを考えると辞めるわけにもいかず、ただ日々を耐えて過ごしているような感覚です。

情熱を持てない自分のまま今の生活を続けていてもいいのか、それとも何か行動を起こすべきなのか、分からなくなっています。

ご自身の現在の状況について、非常に正直で、深い問いを抱えていらっしゃるのですね。

トールの教えの核心は、まさにそのように「内なる苦しみにもう耐えられない」という限界点にあります。

トールの教えに基づき、あなたが抱える疑問、特に「情熱を持てない現状でどうすべきか」について、意識の状態を第一にするという視点から解説します。

「楽しんで情熱を燃やすこと」は手段ではない

まず、トールの教えにおける「楽しむこと」や「情熱を燃やすこと」についての認識を整理します。

あなたが理解されているように、これらは確かに「目覚めた行動の三つのモード」の一部です。
しかし、これらは「いまに在る」ための手段であるというより、むしろ「いまに在る」という意識が行動に流れ込んだ結果として現れる意識の次元であると捉えられます。

人生の第一義的な目的は、「目覚めること」、すなわち「いまに在る」ことです。
これは「どんな存在であるか」に関わります。
それに対して、「楽しんで情熱を燃やせること」は「何をするか」に関わる外部的な目的(第二義的な目的)の表現です。

外部的な目的は常に相対的で不安定ですが、それを内なる目的と結びつけたとき、あなたの行動はより深い意味を持ちます。
行動の質は、その根底にある意識の状態によって決まります。
あなたが行動を楽しむかどうかは、行動そのものの中にあるのではなく、あなたの中の深い部分から行動へと流れ込む「意識の次元」なのです。

つまり、情熱は、「いまに在る」という静けさ(意識)自然に湧き上がるものであり、それ自体を「達成すべきゴール」として追い求める必要はない、ということです。

現在の「耐えている」状態への対処法

あなたは現在、仕事が楽しくなく、「ただ日々を耐えて過ごしている」と感じており、この状態を続けてもいいのか迷われています。

トールの教えでは、このような「耐えている」状態は、心が「いま」を拒絶していること、すなわち抵抗していることを示しています。
そして、この抵抗こそが、苦しみを生み出し、エゴを強化している根本原因です。

ステップ1:情熱を探す前に「抵抗をやめる」

情熱や喜び(楽しむこと)が見つからないとき、トールはまず最低限求められる意識の状態である「受け入れる(Acceptance)」ことを強く勧めます。

現状に対して「こうあってはならない」「これは不公平だ」という心の抵抗をやめることが、受容です。

苦しみは、人生そのもの(大いなる存在)ではなく、出来事や状況を「個人的な問題」として受け止めるという根本的な思い違いから生まれます。
あなたが苦しんでいることに気づくとき、それはエゴとの同一化を解く成功です。

受け入れることは、単なる「我慢」や「諦め」ではありません。
これは極めて能動的で創造的な状態であり、「いま」という瞬間と仲直りすることを意味します。

もし「楽しむこと」も「情熱を燃やすこと」もできないなら、せめて現状を抵抗なく受け入れることが、心の平和(大いなる存在の輝き)への入り口となります。
あなたが抵抗せずに降参するとき、その安らぎが微細なエネルギーの振動として行動に流れ込むのです。

ステップ2:行動を変えるべきかの判断基準

あなたは「このまま生活を続けていいのか、何か行動を起こすべきか」と迷っています。
トールは、行動の質を変えるべきかどうかの明確な指針を示しています。

目覚めた行動の三つのモードに照らし合わせて、ご自身の今の仕事を見てください。

  1. 情熱を燃やせるか?
    → 現状は「否」。
  2. 楽しめるか?
    → 現状は「否」。
  3. 受け入れることは可能か?
    もしこれも否ならば、その行動はすぐにやめるべきです

もし、今の仕事で「楽しむ」ことも「受け入れる」(抵抗なく行う)こともできないのであれば、その行動を続けることは、自分自身か他人を苦しめている可能性が高いとされます。

しかし、生活のために辞めるわけにはいかないという「現実」がある場合、その現実を「いまの状況」としてまず受け入れます
受け入れた上で、「どのように行うか」を変えるだけで十分かもしれません。

仕事の結果ではなく、いま目の前でしている行為そのものに意識を最大限に集中させましょう。
たとえば、パソコンを打つ手の感触、同僚と話すときの自分の呼吸、資料を整理する手の動きなど、日常生活のあらゆる行動を意識的に行うことで、雑念が減り、「いまに在る」ことができるようになります。

仕事中に「次の転職先はどうか」「いつ辞められるか」といった未来や、「この仕事を選んだ過去の後悔」といった心理的時間に意識が向いたとき、「いまにいない」と気づき、意識を呼吸や身体感覚(インナーボディ)に戻してください。
これだけで、ストレスや不安の原因である「心理的な時間」が消去され、心の静けさが生まれます。

情熱が湧き上がるための準備

情熱は、外部に探し求めるものではなく、意識の静けさという内なる空間から湧き上がるものです。
もし今、情熱が見つからなくても、それは「情熱がない」のではなく、心の騒音(思考)が強すぎて、その声がかき消されているのかもしれません。

トールの教えでは、創造性や真の喜びは、思考が静まった「無心状態」から生まれるとされます。

「いまに在る」実践を続けることで、思考がひっきりなしに流れていたところに沈黙や静けさが広がる「心の空間」が生まれます。

この空間から、対極のない真の喜び(あることの喜び)が湧き上がります。
この喜びは、外側の出来事に依存する快楽とは違い、あなたが意識的であることの報酬です。

心の中心に静けさがある状態(静けさと情熱の共存) であれば、目標やビジョン(外部的な目的)が現れたとき、それはエゴの欲望(「金持ちになりたい」など)ではなく、創造力そのものとなり、情熱へと転化していくでしょう。

「情熱を持てない自分のまま今の生活を続けていてもいいのか」という問いに対しては、トールの教えはこう答えます。

「もし「受け入れる」ことも「楽しむこと」もできないと気づいたなら、その行動はすぐにやめるべきです。 なぜなら、それを続けることは、自分の意識の状態(苦しみ)に責任を取っていないことになるからです。」

エックハルト・トール

あなたが「いまに在る」という静けさを取り戻せば、今の仕事が続くにせよ、自然な流れで次の仕事へと移行するにせよ、その行動は宇宙の流れと調和し、無理や苦痛を伴わない、最も適切な形で展開していくでしょう。

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