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暴力的な映画や刺激の強い作品を観たがる人の意識状態と理解

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彼が暴力的な映画や残酷な描写などの刺激の強い作品をよく観たがります。
私はそうしたものを見ると心がざわつくので、一緒にいると少し苦しく感じてしまいます。時には、彼が“怒りや攻撃性”を内に抱えているのではないかと不安に感じることもあります。

観るのをやめてほしいというわけではありませんが、そうした傾向をどう理解すればいいのか分かりません。
人が刺激的なものに惹かれるのは、どんな意識の働きによるのでしょうか。
そして、私は彼とどのような距離感や姿勢で関わればよいのでしょうか。

パートナーの方が暴力的な作品や刺激の強いものを好む傾向があり、それに対してあなたが不安や心のざわつきを感じ、どのようにその状況を理解し、関わっていくべきかというお悩みですね。

エックハルト・トールの教えに基づき、人が刺激的なものに惹かれる意識の働き、そしてあなたが心の平和を保ちながらパートナーと接するための姿勢について解説します。

刺激的な作品に惹かれる意識の働き

暴力的な作品や刺激の強い作品を好む傾向がある方は、人間の意識の奥底にある「エゴ」や「ペインボディ(痛みの身体)」の働きと深く関連している可能性があります。

「無意識の状態」への逃避

人が刺激的なものに強く惹かれる理由の一つに、「いまに在る」ことを忘れ、無意識の状態に陥りたいという欲求が挙げられます。

テレビや映画、特に暴力的な作品を見ているとき、思考は一時的に止まっているように見えるかもしれません。
しかし実際には、自分の思考を止めているのではなく、その番組が生み出す「集団的な心」に同調している状態です。
この状態は、軽い催眠にかかったような、受け身でぼんやりとした、無意識の状態に似ています。

トールは、テレビを長時間見続けることは、アルコールやドラッグと同じ種類のものであると述べています。
心を一時的に解放してくれるかもしれませんが、その代償として意識を失ってしまう のです。

ペインボディの「糧」となるネガティブな感情

パートナーの方が内に「怒りや攻撃性」を抱えているのではないかというあなたの不安は、トールの教えにおけるペインボディの観点から考えると、その可能性が示唆されます。

人間の心には、過去の心の痛みや苦しみがエネルギーとして蓄積されたペインボディ(痛みの身体)というネガティブな感情や思考だけを糧にする性質があります。
ペインボディは「不幸依存症」なのです。

ペインボディが糧とするのは、暴力を「普通のこと」あるいは「魅力的なこと」として描く作品です。
そうした映画は、観客のネガティブな感情を刺激することだけを目的に作られており、痛み依存症のペインボディのための装置にすぎません。

自分でも気づかないうちに怒りを溜め込み、それを処理していない人は、怒りのエネルギーを発しているため、周りの人たちの中に潜む潜在的な怒りを目覚めさせ、活動させてしまうことがあります。
パートナーの方が無意識のうちにこのネガティブなエネルギーを作品から得ようとしている可能性も考えられます。

あなた自身の心のざわつきと対処法

あなたが暴力的な作品を見て「心がざわつく」「苦しく感じる」のは、あなたがご自身の意識を「いま」に保ちたいという健全な反応を示しているからです。
しかし、そのざわつきや不安を放置すると、あなた自身の心の平安が損なわれてしまいます。

感情と自己嫌悪の観察

あなたが感じる不安や自己嫌悪は、あなたが「いま、この瞬間」に感じている感情であり、「いまの思考」として蘇っている過去の痛みの可能性があります。

怒り、不安、ざわつきなどの感情は、思考の状態が体に映し出されたもの、つまり体の反応です。
感情が湧いたとき、あなたは「それが自分自身ではない」という真実に気づき、感情をただ観察することが重要です。

ざわつきや不安の原因を探ろうとあれこれ批判したり分析したりすることは、応戦という形の「思考の声」に変わりありません。
必要なのは、頭の中の声を真剣に受け止めず、偏りのない心で聞き、観察することです。

不安を感じたら「私はいま、この瞬間に不安を感じている」と自覚してください。
不安は「未来」ではなく「いま」に生じているものだと気づくことで、その感情を客観的に眺めることができるようになります。

身体感覚への意識集中

心がざわついたとき、思考を止めようとする代わりに、「内なる身体」に意識を集中させ、「いま」に戻りましょう。

身体の感覚は、思考が過去や未来をさまようのを防ぎ、あなたを「今この瞬間」に繋ぎ止めるアンカーとなります。

目を閉じて、自分の両手や足、そして身体全体の内側に流れる生命感 を感じ取ってみてください。
身体の中にすまうことは、「いまに在る」ために欠かせないのです。

パートナーとの関わり方と距離感

あなたはパートナーに「観るのをやめてほしいというわけではない」とのことですが、これはあなたが相手の状況を「あるがままに受け入れる」姿勢を持とうとしていることを示しており、心の平和を保つ上で非常に健全なアプローチです。

相手のエゴに反応しない

パートナーの行動や趣味が、あなたを苛立たせたり、不安にさせたりする「引き金」になっている可能性があります。

パートナーの刺激的なものへの執着や、そこから生じる可能性のある攻撃的な態度は、「相手そのもの」ではなく、エゴやペインボディという無意識の機能不全の表れであると理解しましょう。

相手のエゴに反応することは、あなた自身の中のエゴ(またはペインボディ)を強化するだけです。
相手の無意識に反応しないことは弱さではなく、むしろ強さです。

相手を敵とせずに行動しましょう。
あなたが「いまに在る」意識を保ち、静けさを保ちながら接すると、その静けさが相手の怒りやエゴを弱める力になります。

「気づきの空間」を共有する

パートナーの好みを変えようとするのではなく、あなた自身が「気づきの場」となることで、二人の関係により深い次元をもたらすことができます。

パートナーと話すとき、頭だけで聞かず、体全体で聞くように心がけましょう。
相手の話を聞きながら、同時にインナーボディを感じるようにするのです。

このように「無心の状態」を保ちながら聞くことは、相手に「今にあるためのスペース」を与えることになり、これは話し相手に与えられる最も貴重な贈り物です。
相手の言葉や思考の奥にある、大いなる存在 を感じるようになれば、「すべてはひとつにつながっている」という認識に目覚め、が生まれます。

あなたが「いまに在る」ことを深く実践すれば、外側の出来事(パートナーの趣味や内なる傾向)に左右されることなく、内側には深い静けさが流れ続けるのです。

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