エゴ

【時間は幻】過去や未来への執着を手放す|「心理的な時間」の克服法

エゴ
この記事は約4分で読めます。

エックハルト・トールの教えにおいて、「時間」は私たちの苦しみと不幸の根源となる「心理的な時間」と、実生活で必要な「時計の時間」に明確に区別されます。

トールは、私たちが過去や未来への執着を手放し、「いま」に完全に目覚めることこそが、すべての問題からの解放へとつながると説いています。

心理的な時間とは何か

エックハルト・トールによると、私たちが抱えるストレスや不安、不幸のほとんどは、「いまを失うこと」こそが根本的な原因であり、それは心がつくりだした「心理的な時間」という幻想によって引き起こされています。

エゴの生存戦略としての時間

偽りの自己意識であるエゴは、常に欠乏感や不安を抱えており、過去の記憶未来の予測や期待に依存することでしか存在できません。

エゴは過去の記憶や経験をもとに「私はこういう人間だ」というアイデンティティ(偽りの自己像)を定義し、それにしがみついています。

エゴは、自分を満たしてくれる救済や充足は未来にあるという幻想を生み出し、目標達成や所有を追い求めます。

エゴは「いま」を許容せず、常に「今は不十分だ」と感じています。
エゴにとって「現在という瞬間」は、せいぜい「未来というもっと重要なもの」へ到達するための価値のない踏み台でしかありません。

苦しみは常に「いま」に存在する

未来は思考の中にだけ存在する幻であり、現実には存在しません。
しかし、私たちはこの幻想に心を支配され、「いま」という唯一の現実を見失うことで苦しみが生まれます。

未来の出来事そのものが私たちを不安にさせているのではなく、あなたの思考が未来を想像し、そのイメージに感情が反応しているため、不安は「いま」に生じているのです。

過去の苦しみやトラウマも、過去の出来事そのものがあなたを苦しめているのではなく、それを「いま」思い返し、感情的に反応しているから苦しいのです。

この過去と未来へのしがみつき、そして「いまの拒絶」という思考の機能障害に取り組まない限り、苦しみは「一難去ってまた一難」というパターンを描き続けます。

心理的な時間の克服

時間から解放されるとは、約束の時刻を決めるなどの「時計の時間」(実用的な目的)を否定することではありません。
そうではなく、「心理的な時間」を消去することを意味します。

心理的な時間を克服し、真の自由を得るための鍵は、「いまに在ること」、つまり思考抜きの意識の状態にあります。

意識の変容:「いまに在る」ことの力

「いまに在ること」は、時間を否定することと同義です。
あなたが「あるがままのこの瞬間」を心の中で受け入れるたびに、時間を超え、エゴの生命線を断ち切っていることになります。

最初のステップは、できる限り思考の声に耳を傾け、それを客観的に眺めることです。
頭の中で悲観的、もしくは楽観的な未来をイメージし、「いまから抜け出したがる思考」を観察します。

思考を客観的に眺めていると、「独り言をする声」と「それを聞き、観察している本当の自分」がいることに気づきます。
この「本当の自分」の存在(気づき)は思考を超えた源泉から発せられています。

思考を本当の自分と見なすと思考のエネルギーは強まりますが、思考を観察すればそのエネルギーは弱まります。
無駄な思考活動が止まると「無心状態」が生まれ、心の平安を実感します。

執着を手放し行動を純化する

結果や目標への執着も、未来への依存(心理的時間)から生まれます。
カルマ・ヨガ(行為のヨーガ)の実践とは、この執着を手放し、行動の質そのものに意識を集中させることです。

「いまに在る」意識で行動している限り、あなたのすることはすべて、どんな些細な行動でも高潔で、思いやりと愛が原動力になります。

目標達成という結果に縛られず、いまのステップに全意識を集中させると、行動は過去の経験に条件づけられたリアクションではなく、洞察力によるものとなり、より良い結果を導きます。

過去を理解しようとするために答えを探してはいけません。
ただ「いま」に在りましょう。
「いまに在ること」こそが、過去を溶かす唯一の触媒だからです。

日常の実践:いまに在るための具体的なステップ

「いまに在ること」は、特別な修行ではなく、日常のあらゆる場面で実践できます。

  1. 呼吸への意識
    最も簡単な方法は、自分の呼吸に意識を向けることです。息を吸う瞬間、吐く瞬間、その感覚を丁寧に感じることで、思考の流れにブレーキをかけることができます。
  2. 身体感覚の活用
    意識を体の内側にあるエネルギー場(インナーボディ)に向けます。身体は常に「いま、ここ」にあるため、身体に根をおろすことで、外界でどんな出来事が起ころうとも、私たちはびくともしません。
  3. 日常動作の意識化
    手を洗うときに水の音を聞き、温度や感触を感じる。食事のときには味や香りを丁寧に感じる。歩くときには、一歩ごとの足裏の感覚に意識を向けるなど、単純な行動を意識的に行うことで、「いまに在る」ための入り口になります。

永遠なる「いま」への回帰

過去も未来も、思考が作り出す概念にすぎません。
私たちが生きられるのは、常に「いまこの瞬間」しかありません。

あなたが「いまに在る」という意識の選択を行うとき、あなたはエゴの支配から自由になり、心の奥底にある揺るぎない静けさと平和を体験します。
この目覚めた意識こそが、人生がシンプルで楽になる真の理由であり、すでに存在している自己の豊かさに気づくための唯一の道なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました