思考の静まり

エックハルト・トールが説く「インナーボディ(うちなる身体)」とは

思考の静まり
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この記事では、精神的な指導者エックハルト・トールの教えにおける重要な概念「インナーボディ(うちなる身体)」を詳しく解説します。

トールによると、私たちの苦しみの原因は、絶え間ない思考感情に自分を同一視し、「いま」に意識のすべてを向けていないことにあります。

インナーボディは、その思考の支配から意識を解放し、真の自己(大いなる存在)とつながるための「生きた入り口」です。

インナーボディの定義、その特徴、そしてエゴやペインボディといった心の機能不全とどのように関係し、私たちを深い心の平和へ導くのかを解説します。

形あるものと形なきものをつなぐ架け橋

インナーボディの定義

トールが説くインナーボディとは、単なる肉体や臓器のことではありません。

インナーボディは、物質的な肉体に生命を与えている「目に見えない強力なエネルギー場」であり、すべての臓器、すべての細胞をくまなく覆っています。
これは、東洋で「気(Chi)」と呼ばれる宇宙の生命エネルギーと同一視されることがありますが、厳密には「気(インナーボディのエネルギー)」の源泉こそが「目に見えない世界(大いなる存在)」です。

インナーボディの役割

インナーボディは、この「目に見える世界(物質界)」と、「目に見えない世界(大いなる存在の次元)」をつなぐ橋渡し役を果たしています。

私たちが目に見える体によって大いなる存在を認識するのではなく、ことによって、「自分は見かけの姿を超越した存在なのだ」という認識に到達できます。

インナーボディの特徴と機能

インナーボディに意識を向けることは、単なるリラックス法ではなく、心の平安と目覚めを実現するための最も重要な実践の一つです。

思考を止める力(無心状態の生成)

思考を「主人」とし、その「しもべ」となっている状態、すなわち頭の中の独り言に意識のほとんどを奪われている状態から脱却するために、インナーボディは最も効果的な方法を提供します。

意識をインナーボディに集中させると、思考活動はぴたりと止まります
これは、思考を超えたレベルに到達することであり、心には静けさが生まれます。
トールは、この状態を「茫然自失や半睡状態とはまったく違い、完全に目覚め、意識が研ぎ澄まされている状態」であると説明しています。

「いまに在る」ための確かな根(アンカー)

多くの人は、人生を過去と未来という心理的な時間の中で生きており、「いまこの瞬間」を見失っています。
インナーボディに意識を根づかせることは、今この瞬間に在るための確かな「錨」(アンカー)となります。

インナーボディに根をおろしていれば、外界でどんな出来事が起ころうとも、私たちはびくともせず、感情のままに反応してしまうことを防ぐことができます。

肉体への恩恵

インナーボディへの意識集中は、肉体にも直接的な恩恵をもたらします。

  • 免疫力の強化
    体を意識で満たすほど、免疫力は一層強力になります。
  • 老化の遅延
    過去や未来にまつわる思考や不安を手放すことで、細胞が本来もつ修復能力が回復し、老化の進行をスローダウンさせる鍵となります。
  • 時間を超えた本質
    インナーボディは物質的な肉体の不完全さに影響されず、年を取りません。

エゴ・ペインボディ・思考・自分との関係性

インナーボディへの気づきは、エゴやペインボディという「偽りの自己」の構造と密接に関わっています。

概念関係性
思考 (エゴ)エゴは、意識の大部分が思考活動に費やされ、身体を「留守」にしているときに強固になります。
インナーボディに意識を向けることは、無益で衝動的な思考活動を止め、思考から意識を解放するための最も効果的な方法です。
思考を観察し、「私は思考ではない」と気づくことで、エゴの力が弱まります。
ペインボディ (痛みの身体)ペインボディは、過去の感情的な痛みが身体の細胞に蓄積されたエネルギー場です。
インナーボディは感情のさらに奥にあるため、インナーボディとつながるためには、怒りや不安といったネガティブな感情の層をあるがままに受け入れ、観察し、処理する必要があります。
意識の光(いまに在ること)をペインボディに当てることで、ペインボディはエネルギーを失い、意識へと変容します。
真の自己 (大いなる存在)インナーボディは、あなたという存在(ビーイング)「大いなる存在」への入り口なのです。
インナーボディを通して、私たちは自分の形のない本質、つまり永遠の生命とつながることができます。

インナーボディへの意識集中は「目覚めの実践」

インナーボディに意識を向けることは、複雑な理論を学ぶことではなく、意識的に「在る」状態を保つためのシンプルで実践的な習慣です。

トールの教えでは、意識のすべてを思考と外界に消費せず、意識の一部を常にインナーボディに残しておくことが推奨されています。

歩いているとき、誰かの話を聞いているとき、何かを待っているとき――どんな瞬間でも、身体の中に流れる生命感を感じ続けること。

あなたが自分の内なる身体に「住まう」ことを選ぶとき、あなたは思考や感情に振り回される「偽りの自分(エゴ)」から解放され、揺るぎない平和と静寂という真の自己の本質へと帰還できるのです。

「大いなる存在とつながるのは、インナーボディを通してなのです。」

エックハルト・トール

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