目覚めながら生きる

目覚めながら生きるとは何か ― 意識を行動に宿す新しい生き方

目覚めながら生きる
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私たちはしばしば、目の前のタスクや目標を達成するためにエゴの欠乏感に突き動かされていることに気づいているでしょうか。

世界的な精神的指導者エックハルト・トールは、人類の進化の次の段階は、思考やエゴに支配された無意識の行動から、「目覚めた行動」(Awakened Doing)へと移行することにあると説いています。

目覚めた行動とは、行動そのものの中に気づき(意識)を宿し、日常のあらゆる瞬間に真の力と喜びをもたらす生き方です。
これは、あなたが「何をするか」以上に「どんな意識状態でいるか」を大切にする生き方です。

この目覚めた意識が行動の源となることで、人生は努力やストレスではなく、宇宙の創造的な力と調和してスムーズに流れ始めます。

トールが説く人生の二つの目的

トールによると、あなたの人生には内なる目的外部的な目的という二つの側面があります。

  1. 1内なる目的(第一義的な目的)
    目覚めること、すなわち思考を超えた「気づき」そのものとつながり、その意識を世界に広めること。これは意識の状態に関わるものです。
  2. 外部的な目的(第二義的な目的)
    外の世界で何かを達成すること(仕事、家族の世話、目標達成など)。これは何をするかに関わるものです。

目覚めた行動(Awakened Doing)とは、この内なる目的と外部的な目的が調和した状態を指します。

内なる目的を無視して外部的な目的を追い求めても、その行動はエゴに支配され、いずれ苦しみに行き着いてしまいます。
なぜなら、エゴは「今」を未来に到達するための価値のない踏み台克服すべき障害 と見なしてしまうからです。

意識を行動に宿す新しい生き方

目覚めながら生きるとは、「いまこの瞬間」を未来に到達するための手段として扱うのをやめ、行為そのものに意識を込めることです。

エゴが支配する行動は、常に不安、怒り、不満、不足感といったネガティブな感情を原動力にしています。
しかし、いまに在る意識が行動の源となるとき、その行動は過去の経験によって条件づけられた思考が起こすリアクションではなく、洞察力によるものとなります。

「どのように行うか」は、「何を行うか」よりも常に大切です
行為の第一義的な目的は、行為そのものに意識を込めることであり、二次的な目的が「行為を通じて何かを達成すること」になります。

その結果、どんなに単純な行為であっても、その行為は意識がこの世界に入り込む通路となり、が宿るのです。

日常がスピリチュアルな実践の場に

目覚めた行動は、瞑想のように特別な時間を必要としません。
日常のありふれた瞬間が、意識を宿すための扉になります。

  • 五感への集中
    食事のときには味や香り、噛む音を味わい, 階段を上り下りするときは一歩ごとの足の感覚を感じる。
  • 観察者の視点
    誰かと会話するとき、「次に何を言おうか」という思考(エゴ) ではなく、相手の話に関心のすべてを注ぎ、気づきの場としてそこにいること。
  • 身体感覚への錨(いかり)
    自分の身体の内側に流れる生命エネルギー(インナーボディ)に意識を向けること。
    身体は常に「いま、ここ」にあるため、思考から意識を引き離す確かな錨となります。

この実践を続けることで、人生は冒険ではなくなり、味気のない義務行為になってしまうエゴの支配から解放されます。

目覚めた行動の三つのモード

トールは、人生の行動を宇宙の創造的な力と調和させるための、三つの基本的な意識のモード(あり方)を提示しています。

これらのモードのいずれにも当てはまらない行動は、機能不全であり、苦しみに繋がる可能性が高いとされます。

受け入れる(Acceptance)

行動を楽しむことができない状況であっても、受け入れることはできます。
「今、これをしなければならないから、それをしよう」と心から思い、いまという瞬間を心の中で否定せずに引き受けること。
受け入れは、単なる諦めや我慢ではなく、抵抗せずに降参するという、能動的で創造的な状態です。
抵抗をやめることで、思考が作り出す「不幸で怒りに満ちた偽の自分」は消え去ります。

楽しむ(Enjoyment)

受け入れを通じて抵抗がなくなると、その行動の中に深い喜びや躍動する生命感を感じられるようになります。
楽しみとは、外部から与えられるものではなく、あなたの中の深い部分から行動へと流れ込むもの。
人生の焦点を今この瞬間に置くとき、行動を楽しむ能力は劇的に高まり、人生の質が変わります。
楽しみは、エゴ的な欲望(「自分は切り離された存在だ」という妄想から生じるもの)ではなく、宇宙の創造力そのものとつながる行為です。

情熱を燃やす(Enthusiasm)

楽しんでいる行動に明確なビジョン(目標)方向性 が加わるとき、それが情熱となります。
情熱(enthusiasm)という言葉は、「神の中にある」という意味です。
情熱に満ちた行動は、個人を超えた創造力があなたを通じて世界に働き出す状態です。

ストレスとの違い

情熱は、エゴの欲望から来るストレスや緊張 とは根本的に異なります。
情熱は対立を生み出しません。

情熱的な行動は、目標に焦点を当てながらも、意識の焦点は常に現在この瞬間にしていることに置かれなければなりません。
そうすることで、あなたの活動が自分自身だけでなく、無数の他者をも豊かにします。

目覚めた意識で行動するとき、あなたはもはや時間という重荷 やエゴに振り回されることなく、宇宙の生命力に支えられていることを知るのです。

まとめ

目覚めた行動(Awakened Doing)の本質は、常に意識の状態にあります。

「大切なのは目的や行動そのものではなく、その根底にある意識の状態です。」

エックハルト・トール

この意識こそが、混乱した世界の中で最も強い力となります。
あなたの内側にある静けさを基盤にして行動するとき、すべての行為は自然に導かれ、調和に満ちたものになるのです。

目覚めた行動とは、まるで、水面に浮かぶボートの舵を握るのと同じです。
以前は思考という名の激しい波に翻弄されていましたが、いまという名の水面に意識を集中させ、波の力を借りて静かに進む術を学ぶのです。
風(目標や情熱)は吹きますが、あなたは波(現在)と調和し、ボート(行動)の中心にある揺るがない静けさ(気づき)に留まります。

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