ペインボディ

女性に多い「集合的ペインボディ」とは|歴史的な抑圧が形成した痛みの構造

ペインボディ
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私たちが抱える心の苦しみは、個人の過去の体験だけではなく、人類全体が共有する集合的な痛みに根ざしていると、エックハルト・トールは説きます。

特に、女性の集合的ペインボディは、長きにわたる歴史的・社会的な抑圧によって形成された、特有の感情エネルギーの塊であるとされています。

この集合的な痛みの仕組みとその解放への道を、トールの視点から分かりやすく解説します。

ペインボディの定義:個人的な痛みと集合的な痛み

ペインボディとは何か

ペインボディ(痛みの身体)とは、過去に経験した心の痛みや苦しみがエネルギーとして心身に蓄積され、ひとつの「存在」のようになったものです。
このエネルギー体は、ネガティブな感情や思考だけを糧にする「不幸依存症」であり、活性化すると私たちの思考を乗っ取り、過去の苦しみを「いま」に再現しようとします。

人類全体が共有する集合的ペインボディ

ペインボディは個人の中にあるだけでなく、民族、国家、宗教などの集団にも存在します。
過去に集団として受けた戦争、迫害、差別、搾取などの苦しみが、無意識のエネルギーとして蓄積され、集合的なペインボディとして世代を超えて引き継がれていくのです。

集団的ペインボディは、特定の状況や言葉がきっかけとなり、集団的な怒りや憎しみ、敵意となって表れ、民族間や国家間の争いを引き起こす主な原因となります。

女性に特有の痛みの構造:社会的・歴史的な抑圧の蓄積

トールによれば、ほぼすべての女性もまた、独自の集合的ペインボディを分かち持っているとされています。
このペインボディは、個人の人生で受けた傷に加えて、歴史的・社会的背景から蓄積された痛みが核となっています。

エゴによる「女性原理」の抑圧

ここ二千年ほどの間に、女性原理が抑圧され、エゴが人類の集団的意識の中で圧倒的な優位を得てきた、とトールは説明します。

一般的に、女性は男性ほど心(思考)に自分を同一化しない傾向があるため、インナーボディ(内なる身体)や直感的な能力、すなわち生命の知性の源泉とより密接に触れ合っています。

地球上で男性エネルギーと女性エネルギーの均衡が崩れていなければ、エゴの成長はこれほど進まなかったはずです。
エゴは、男性という形を通してこの地球を支配できると知り、そのためには女性を無力化しなければならなかったのです。

感情的苦痛として現れる歴史的な傷

抑圧された聖なる女性性は、女性たちに「感情的な痛み」として現れています。

これは、出産、奴隷化、拷問、暴力的な死など、何千年にもわたって積み上げられた痛みが女性のペインボディの一部となっているものです。
今日、私たちは「内面化された女性性の抑圧」の時代に生きており、多くの女性がその影響から自由ではない状態にあります。

この集合的ペインボディは、特に月経の直前期などに活性化する傾向があり、その時、多くの女性が激しいネガティブな感情に押し流されるように感じるとされています。

癒しへの道:意識の光による変容

この集合的な痛みのエネルギーから解放される鍵は、「気づき(意識の光)」であり、ペインボディを否定したり戦ったりすることではありません。

意識の光で痛みを焼き尽くす

ペインボディは、私たちが無意識のうちにそれと一体化してしまうときだけ存続できます。
女性の場合、男性よりもエゴが深く根付いていない傾向があるため、男性よりも先に、その支配力が緩み始めているとトールは指摘します。

解放のプロセスは以下の通りです。

  1. 認識すること
    強い感情的痛みが湧いたとき、「これは私ではなく、ペインボディが反応しているのだ」と認識し、ペインボディとの同一化を断ち切ります。
  2. 観察し、受け入れる
    痛みを排除しようと抵抗するのではなく、「いまに在る」意識を保ち、その感情的なエネルギーをただ観察します。
  3. 変容
    あなたがペインボディと自分を同一化しなければ、ペインボディはあなたの思考を支配することも、糧として育つこともできません。
    そのエネルギーは「いまに在る意識」へと形を変え、意識の糧となるのです。

個人が自分の中にある集合的ペインボディに気づき、癒していくことで、その影響力は弱まっていきます。

あなたが「いまに在る」ことで、無意識を意識の光で照らすパイプ役となり、集団的な痛みにも光を当てることができるのです。

過去の集積された痛みから解放される道について、トールは次のように述べています。

「許しとは、すべての不満や痛みを手放すことです。不平や不満が無益で、偽りの自分を強化するだけだと気づいた瞬間、変化は自動的に起こります」

エックハルト・トール

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