ペインボディ

なぜ同じ苦しみを繰り返すのか? 「感情的記憶」とペインボディの共鳴

ペインボディ
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エックハルト・トールは、私たちの苦しみの原因は、「今この瞬間を生きていないこと」「エゴ」(幻の自己)絶え間ない思考という檻の中で人生の大半を過ごさせていると指摘します。

エゴが生み出す最も根深い苦しみが「ペインボディ(痛みの身体)」です。

ペインボディとは、過去の人生で経験した感情的な痛みが、心と体のすべての細胞に蓄積されたエネルギー場であり、一種の「感情的な残留エネルギー」や「痛みの塊」として機能しています。
これは個人が持つものだけでなく、人類全体で共有している集合的ペインボディの一部でもあります。

ペインボディは、マイナスのエネルギーを糧にして生きる「精神的な寄生体」のようなもので、飢えると、自らと同じ周波数で振動しているエネルギー、すなわちネガティブな感情や思考を求めて目覚めます。

この記事では、ペインボディがどのように活動し、なぜそれが負の感情的記憶と共鳴して、あなたを無意識のドラマへと引き戻してしまうのか、その仕組みと解放の道筋を解説します。

なぜ同じような苦しい出来事を繰り返すのか

私たちが同じような辛い人間関係や状況を繰り返すのは、ペインボディが「不幸依存症」であるからです。
ペインボディは、自分が生き残るための糧を得るために、無意識のうちに波乱や紛争を求める習性があります。

感情的記憶とペインボディの共鳴

ペインボディは、過去の感情的な痛みの記憶そのものですが、これが現在の状況とどのように結びつくかというと、「共鳴(レゾナンス)」によってです。

ペインボディの活性化

ペインボディは普段休眠していますが、過去に体験した感情的苦痛と共鳴するような状況が「引き金(トリガー)」となって活性化します。

ネガティブな周波数

ペインボディのエネルギーはネガティブな思考と同じ低い周波数で振動しています。
ペインボディが目覚めると、あなたの思考を乗っ取り、自分自身や他者、人生について悲しく、怒りに満ちた物語を語り出します。

過去の投影

このとき、私たちは「いまの出来事や状況」ではなく、「自分の中にある感情的な過去」というレンズを通して、現在の瞬間を見て、経験している内容を歪めてしまいます。

同じパターンを繰り返す理由

ペインボディが引き起こす不幸は、しばしば原因と結果のバランスが取れていない「過剰反応」です。
ペインボディに支配されているとき、私たちは無意識のうちに、同じような痛みをもっと味わわせてくれそうな人や状況に磁石のように引き寄せられます。

もし、心の底にある機能不全(思考やペインボディとの同一化)に取り組まない限り、人生は問題や苦しみをもたらす似たような状況を、影のようにどこまでも繰り返すことになります。
例えば、過去に親から見捨てられた経験のあるペインボディを持つ人は、友人が数分遅れただけで激しい不安の発作を起こす、といったように。

この繰り返しは、ペインボディが「さらなる痛み」を糧として自らを再生しようとすること、そして、あなたが「いまに在ること」を忘れて無意識になっているときに、それが生存できるからです。

解放への道:気づきと「いまのパワー」

同じパターンを繰り返す悪循環を断ち切り、ペインボディから解放される唯一の方法は、意識的に「いまに在る」ことです。

認識すること(気づき)

怒りや不安が湧き上がってきたら、「これは私ではなく、ペインボディが反応しているのだ」と認識します。気づきとエゴ(ペインボディ)は共存できません。

観察し、受け入れる

その痛みを否定したり、分析したりせず、ただ客観的に観察する人になります。
その感情を身体の中でどう感じているか(胸の圧迫感など)に意識を集中させ、あるがままに受け入れるのです。

同一化の断絶

意識の光(いまに在ること)が当たると、ペインボディと思考のつながりが断たれ、ペインボディはエネルギーを失い、その痛みのエネルギーは意識へと変容します。

ペインボディの力が弱まれば、人生を歪めていた「感情的な過去というレンズ」は外れ、あなたはいまこの瞬間に存在している深い平和と静けさ(大いなる存在)へと帰還できるのです。

苦しみの輪廻を断ち切り、永遠の今へ

ペインボディ(痛みの身体)は、過去の感情的な痛みを糧とする精神的な寄生体のようなものであり、自分と同種のネガティブな周波数に共鳴する状況や思考を求めます。

あなたが無意識の状態にあるとき、つまり「見張り人不在の状態」にあるとき、ペインボディはあなたの思考を乗っ取り、自分自身や世界についての悲惨な物語を語り出し、同じような感情的なドラマを繰り返すことになります。

この苦しみの悪循環から解放される道は、未来にあるのではなく、いまこの瞬間にしかありません。
私たちが人生にもたらすことのできる最も貴重な贈り物は「平和」です。

気づきとエゴ(無意識)は共存できません
意識の光(いまに在ること)が当たると、ペインボディはその力を失い、その痛みのエネルギーは意識へと変容します。

エゴやペインボディという幻想の自己から解放され、思考の夢から目覚めるとき、私たちは本来の自分、すなわち形のない生命(意識)へと帰還します。

この真の自己の本質は、沈黙と平和です。
外側の世界で何が起ころうとも、心の奥底では揺るぎない深い平和を感じていられるでしょう。
この状態は二元的な思考(善悪、快楽と痛み)を超越しており、人生に対する執着がなくなり、人生はシンプルで楽なものになるのです。

すべてとの繋がりを取り戻し、自分自身を万物が生ずる源である意識として知るとき、私たちはすべての瞬間をあるがままに、完全無欠として受け入れることができるのです。

悟りとは、遠い未来の到達点ではなく、常に「いま」にしかありません。
トールは、この真実をシンプルな言葉で伝えています。

「過去は、いまに在る人の中では、姿を消す他に道がありません。私たちの不在(無意識の状態)の時のみ、それは生存できるのです。」

エックハルト・トール

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